佐賀県立美術館「池田学展 The Pen ―凝縮の宇宙―」 展覧会公式サイト – 佐賀新聞

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池田学とは?

池田 学 池田 学(いけだ・まなぶ)
1973年佐賀県多久市生まれ。98年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。卒業制作にて紙に丸ペンを使用した独自の細密技法を確立。2000年同大学院修士課程を修了。2011年より文化庁芸術家在外研修員としてカナダ、バンクーバーに滞在。2013年よりアメリカ、ウィスコンシン州マディソンにあるチェゼン美術館の招聘を受け、滞在制作を行う。圧倒的な細密さと共に、ユニークな感性と創造力溢れる作風で国内外を問わず高い評価を得ている。

2014年第25回タカシマヤ文化基金・美術賞を受賞。
近年の主な展覧会に「Garden of Unearthly Delights: Works by Ikeda, Tenmyouya & teamLab」(2014年、ジャパンソサエティギャラリー、ニューヨーク)、「DOMANI・明日展2013」(2013年、国立新美術館、東京)など。

ミヅマアートギャラリー|池田学
http://mizuma-art.co.jp/artist/0030/index.html
池田学公式Blog「マディソン日記」
http://ikedamag.exblog.jp/

作家・池田学からのメッセージ

Q.初の大規模個展となる今回の展覧会への想いをお聞かせください。
A. いつか美術館で自分の展覧会を開けたら…
これは芸術家を志す者なら誰でも抱く夢のひとつではないでしょうか。
画家としてキャリアをスタートした僕も例に漏れずそうした漠然とした憧れを抱きながら制作を続けてきました。
そして今回、その目標の一つが叶おうとしています。
これまで東京や海外での展示が多かった過去の作品群に加え、3年掛かりで描き上げた最新作が日本で初めてお披露目される場所が故郷、佐賀の美術館。
高校生の頃何度も通っては仰ぎ見たあの空間に自分の作品達が並び、家族や友人、お世話になった方々に見てもらえることを思うと、ついにここまで辿り着いたのだという感慨で胸が熱くなります。
あの頃の自分と同じような年代の人達には痺れるような刺激を与えたい。
彼らの純粋な感性で必ずや何かを感じとってくれると信じています!

Q. 新作《誕生》が無事完成した、今の心境はいかがですか?
A.今回の新作「誕生」は、これまでの自身の作品の中でも最大で、制作期間も最長のものです。
日本を出てアメリカで、小さなアパートの一室から大きな美術館のスペースで、たくさんの人の前で公開制作をしながら…。
これまでの制作環境とは一転、ほとんどすべてのことが初めてと言っていい程、何もかもが新しい挑戦でした。
また二人の娘の誕生や右手の怪我に加え、大規模な回顧展、テレビカメラの密着取材など、締め切り直前3ヶ月のプレッシャーの重さはこれまでに経験したことのないものでした。
完成した時にはただただホッとして、次の瞬間いろいろな感情が溢れてきて止まりませんでした。
絵を描いていてこんな気持ちになったのもまた初めてのことです。
制作中にあれだけ夢見た自由な時間…。絵から解放されてさぞかし楽しかろうと思いきやそれも最初の一週間だけで、やがて退屈になってきて、何もしなくていいという状況に体が慣れていないせいかなんだか落ち着きません。
一方で美術館に3週間展示されていた新作の反響はものすごく、美術館が始まって以来の来場者数を記録し、いつ行っても人だかりに囲まれていました。
会場はもちろん、外を歩いていてもいろんな人から声をかけられ、「作品すごかったわよ!」と握手を求められます。
そんな人々の反応を見ながら、3年間育った地下のスタジオから巣立ち、今や立派に育った娘がこれからどういう旅路に出るのかドキドキしながら想像している、今はそんな心境です。

Q. 最後に、展覧会を楽しみにしているお客様へのメッセージをお願いします!
A. ただ純粋に絵の世界を楽しんでほしい。それが一番の願いです。
僕の作品には複雑なコンセプトや難解なテーマは存在しません。こういう風に見なくてはダメだというルールもありません
好きなように近づいたり離れたりしながらそれぞれの価値観で見てもらえればいいと思っています。
今ではネットや画集などでいつでもどこでも画像を見れるようになり、美術館に行かなくとも作品の詳細は分かります。
しかしどんなに解像度の高い画像を見ることはできても、実際に見上げて作品の大きさを実感することはそこに行かないとできません。
異国の風景を見ることはできてもその場所の匂いや喧騒までは知ることができないように、美術館のしんとした空気感の中に佇んで、目の前にある「本物」に触れてみなければ絵の声を聞くことはできないのです。
一つ一つの作品は細かいですから、できればゆっくりと時間をとって、歩きやすい靴でお越しください!

池田 学

1973 佐賀県多久市生まれ
1998 東京藝術大学美術学部デザイン科卒業
2000 東京藝術大学大学院修士課程修了
2011 文化庁芸術家在外研修員としてバンクーバー滞在
2013- 米ウィスコンシン州マディソン在住、Chazen 美術館にて滞在制作中

主な個展

2014 「原展」Gallery KART, 東京
2013 「Meltdown」West Vancouver Museum、バンクーバー、カナダ
2010 「焦点」ミヅマアートギャラリー、東京
2009 おぶせミュージアム・中島千波館、長野
2008 ミヅマアートギャラリー、東京(カタログ)
2006 「景色」 ミヅマ・アクション、東京(カタログ)
2004 新生堂、東京
2001 銀座スルガ台画廊、東京

主なグループ展

2015 「COSMOS / INTIME – Collection Takahashi〜内なる宇宙—高橋コレクション展」パリ日本文化会館、フランス
「高橋コレクション展 ミラー・ニューロン」東京オペラシティアートギャラリー(カタログ)
「Japanese Art After Fukushima: Return of Godzilla」 RMITギャラリー、メルボルン、オーストラリア
「コレクション展」おぶせミュージアム・中島千波館、長野
2014 「Garden of Unearthly Delights: Works by Ikeda, Tenmyouya&teamLab」ジャパンソサエティ、ニューヨーク、アメリカ(カタログ)
「マインドフルネス!高橋コレクション決定版2014」名古屋市美術館、愛知(カタログ)
2013 「DOMANI ・明日展」国立新美術館、東京(カタログ)
「池田学」G-tokyo、東京
「ジパング展- 沸騰する日本の現代アート」高崎市美術館、高崎ほか、八戸、秋田に巡回(カタログ)
「池田学 & 天明屋尚」Chazen 美術館、ウィスコンシン、アメリカ
2012 「Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語」青森県立美術館、青森(カタログ)
「ジパング展- 沸騰する日本の現代アート」新潟県立万代島美術館、新潟(カタログ)
2011 「ジパング展-31 人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。-」髙島屋 (東京、大阪、京都)(カタログ)
「Bye Bye Kitty!!! Between Heaven and Hell in Contemporary Japanese Art」ジャパンソサエティ・ギャラリー、ニューヨーク、アメリカ(カタログ)
「ヨコハマトリエンナーレ2011」横浜美術館、神奈川(カタログ)
「The 4th Moscow Biennale」ARTPLAY Design Center 他、モスクワ、ロシア(カタログ)
「ジャラパゴス展」三菱地所アルティアム、福岡
2010 「TOKYO DESIGNERS WEEK2010 TDW-ART ジャラパゴス展」明治神宮外苑、東京
2009 「KAMI―静と動 日本現代美術」 ドレスデン州立美術館版画素描館、ドレスデン、ドイツ(カタログ)
2008 「ネオテニー・ジャパン – 高橋コレクション」 霧島アートの森、鹿児島(カタログ) 以下へ巡回: 札幌芸術の森美術館、北海道/2009- 上野の森美術館、東京/ 新潟県立近代美術館、新潟/ 秋田県立近代美術館、秋田/ 米子市美術館、鳥取/愛媛県美術館、愛媛
「ORDER RECEIVED」 ミヅマアートギャラリー、東京
「Great New Wave: Contemporary Art from Japan」 ハミルトンアートギャラリー、ハミルトン、カナダ(カタログ)
以下へ巡回: 2010- ビクトリア美術館、ビクトリア、カナダ
「Re-Imagining Asia」, 世界文化の家、ベルリン、ドイツ(カタログ)
「もうひとつの風景: 森アートコレクションより」 森美術館、東京
2007 「Thermocline of Art – New Asian Waves」 カールス・ルーエ・アート・アンド・メディア・センター(ZKM)、カールスルーエ、ドイツ(カタログ)
「Collector’s choice: Collection 2」 デリム現代美術館、ソウル、韓国(カタログ)
「第10回 岡本太郎現代芸術賞展」 川崎市岡本太郎美術館、神奈川
2006 「All look same. ArtChinaKoreaJapannext」 サンドレッド・レ・レバウデンゴ財団、トリノ、イタリア(カタログ)
2005 「Since 1994- ミヅマアートギャラリー10 周年記念展」ミヅマアートギャラリー、東京
2004 「こたつ派2」 ミヅマアートギャラリー、東京
2002 長谷川空間創造会社、東京
2001 「次代への表現展vol.9」 おぶせミュージアム・中島千波館、長野
1999 「次代への表現展vol.7」 おぶせミュージアム・中島千波館、長野
「次代への表現展vol.6」 おぶせミュージアム・中島千波館、長野
 

パブリックコレクション

森美術館、東京
浜松市美術館、静岡
おぶせミュージアム・中島千波館、長野
Chazen Museum of Art, ウィスコンシン、U.S.A.
高橋コレクション、東京