三人展「Forward Stroke ―明日への眼差し―」佐賀県立美術館 – 佐賀新聞

現在位置:
  • トップ
  • ニュース
  • <三人展を観て(1)>小木曽誠さん(洋画家、佐賀大准教授)

<三人展を観て(1)>小木曽誠さん(洋画家、佐賀大准教授)

2018年10月21日 10時29分
<三人展を観て(1)>小木曽誠さん(洋画家、佐賀大准教授)
広大な空間を大胆に使った葉山有樹さんのインスタレーションがまずは目を引く。敷き詰めた白いタイルの上に浮かぶ青い球体は、遠い場所から望む地球のようだ。青い陶板が壁一面に広がる次の部屋は地球に降り立った感覚になるし、その中にあるガラス漏斗からしたたる水は命の根源を想起させる。

陶芸の伝統的な技術と、現代美術が見事に融合する。自然との共生を願うメッセージ性、精緻な手仕事はすごみを感じる。インスタレーションとともに展示されている壺つぼや椀わんと併せ、葉山さんの技の幅広さに感心する。日本人の器用さが前面に出た作品で、世界に誇れるアーティストだ。

漫画、アニメ「風の谷のナウシカ」に登場する飛行装置を実際に飛ばした八谷和彦さんの作品は、夢やロマンを形にする芸術のあり方を考える。池田学さんのペン画からは、ふるさと佐賀の自然によってはぐくまれた世界観が伝わる。

3人に共通するのは、細かい仕事を丁寧に丁寧に積み重ねていること。県民性なのか、ものづくりを“ゼロ以下”から始め、目に見える成果をすぐ求めるのではなく、中長期的な視野でしっかりと完成に近付けていく土壌が佐賀には息づいていると感じる。

◇ ◇

県内在住の芸術関係者が感じた「三人展」の魅力を紹介する。

ニュース