三人展「Forward Stroke ―明日への眼差し―」佐賀県立美術館 – 佐賀新聞

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<三人展を観て(2)>服部大次郎さん(画家、佐賀市)

2018年10月22日 10時28分
<三人展を観て(2)>服部大次郎さん(画家、佐賀市)
画面上でクマが電子メールを運ぶソフト「ポストペット」(1997年)の開発で脚光を浴びた頃から、八谷和彦さんに注目している。互いの視覚と聴覚を機械で交換する「視聴覚交換マシン」(93年)は、今で言えばVR(仮想現実)を体験できる装置と言えるだろうか。時代の先を行くメディアアーティストだ。

三人展では、ジブリ映画「風の谷のナウシカ」の「メーヴェ」をモチーフにした飛行装置がやはり目を引く。足かけ10年以上をかけ、いまだ続く長期プロジェクトの大作が佐賀で初めて見られることに心が躍る。しかも本当に飛んでしまうのだから、実に興味深い。

八谷さんは先端技術を駆使し、型破りでスケールの大きな作品を制作する一方、発想に“ご近所感覚”があるというか、素材を生活の中から拾い上げているように見え、親しみが持てる。今回は実物を見せるだけでなく、搭乗した感覚を味わえる体験もできる。こうしたオープンな展示姿勢も心地いい。

天地創造を想起させる葉山有樹さんのインスタレーション、間近で見れば見るほど新たな気付きがある池田学さんのペン画。三人展では、三者三様の確固たる信念が一度に見られる。現代アートの面白さが前面に出て、わくわく感にあふれる。

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