三人展「Forward Stroke ―明日への眼差し―」佐賀県立美術館 – 佐賀新聞

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「スパイラル」学芸員・岡田さん語る

2018年10月23日 08時30分
「スパイラル」学芸員・岡田さん語る
 佐賀県出身の3人による企画展「三人展ー明日への眼差(まなざ)しー」が、県立美術館で開かれている。画家の池田学さん、メディア・アーティストの八谷和彦さん、陶芸家の葉山有樹さんの作品から感じた思いを、様々な企画展を手掛ける複合文化施設スパイラル(東京)のシニアキュレーター岡田努さん(55)に聞いた。
 飛んでいる人と一生懸命描く人と未来を憂う人。三者三様、みんな違っていて面白い。1度で3度おいしい展覧会になっている。
 葉山有樹さんの展示はぴりっと緊張感があり清潔で、言葉がいらない世界。チャレンジ精神にあふれ、大切な宝物のような仕事をしている。佐賀にこんな人がいたんだと、新たな驚きに出合ってほしい。
 新たな挑戦の先に産業の産地としての未来がある。フロンティア・スピリッツを持った先人たちが、これまで挑戦を繰り返して産地を育ててきたのだろう。焼き物産地を抱える佐賀で、未来を担う若い人たちにもぜひ見てほしい。
 「メディア・アーティスト第一世代」の八谷和彦さんは、自由な発想で自由な作品を展示している。「夢を実現するためにできることは何でもする」という姿勢がたくましい。好奇心と探究心、それを継続する力が素晴らしい。
 池田学さんの作品は、現代的なメッセージが込められた「読む絵画」。自分の経験と照らし合わせて鑑賞することもでき、飽きさせない。本当に描くのが好きでたまらないことが伝わってくる。
 3人とも個性的で実力があり、魅力的で面白い。この3人に限らず、佐賀は才能ある人がたくさんいる人材の宝庫だ。佐賀の人は「佐賀は何もない」と言うが、うそをつくんじゃない。あるじゃないかと。(笑)
 佐賀にも現代の表現を紹介する場を作ってほしい。ここで活躍して世に送り出していけるような仕組みを作るべきだと思う。
 少子化も進み、人作りを真剣に考える時代。優秀な人材を本気で守り、次から次に作品を生産し続けないと伝統は壊れる。それは地方だからできることでもある。“これからの佐賀”を応援したいと感じた。
 おかだ・つとむ 1963年、神奈川県出身。ワコールアートセンターが運営する複合文化施設スパイラル(東京都南青山)シニアキュレーター。2005年に開かれた「愛・地球博」のキュレーションや、横浜市の事業で開館した「象の鼻テラス」のアートディレクターも務める。

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