<三人展を観て(5)>德安和博さん(彫刻家、佐賀大教授)
2018年10月25日 09時17分
美術の世界は美しい造形を自身で判断し、正解がたくさんある。ただ八谷さんは美しい形を作ってかつ、飛ばさなきゃいけない。正解がたくさんあるアートの世界とは違い、正解への突き詰め方がすごい。
池田さんのペン画は知性と感性で楽しませる。良い意味で絵ってこういうもの。言葉で説明がいらなくて、絵だけで完結する。それだけでなく知性もくすぐる。例えば「Untitled」に見る台形のような物は原発じゃないだろうか。隠しテーマのようにさまざまな視点から、やりたいことを見る力があると思う。
葉山さんのインスタレーション「万花彩壺」は床の間を思わせる台を設定し、しゃがんで眺める展示で和の雰囲気を感じさせる。水琴窟の音を想像させ、お茶でもいただきたい気持ちになる。「有為転変」は、けんかせずに、空間、描写、自然の造形が1つにまとまっている。計算しつくされている展示だった。







