佐賀県書道展

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第28回佐賀県書道展によせて

審査委員長 書の鑑賞の仕方が分からない、という人が多い。ただ、そういう人でも、絵画や彫刻であれ、食べ物や飲み物であれ、画材・技法・調理や醸造方法などに詳しく無くても、おおよその好みはしっかりとしている。
 ところが、こと書になると、構えてしまっている。私は、書の創作時における文章や詩歌を選ぶ困難さや楽しみを承知した上で、このごろ書は読めなくてもいい、と言っている。というのはまず、読めないことで鑑賞を諦めている人があまりにも多いからである。確かに、読めると作品鑑賞の楽しみの大きな助けにはなるが、それが総てではない。書の美的な鑑賞も大きな要素である。
 以前から話していることであるが、書が持つ造形と線質の美しさをどのように調和させるかが一番重要である。まずは、古典を学ぶことで、造形美や筆線の美しさを手にすることが出来る。その上で、新たな時代となった令和に相応しい書を目指してほしいのである。古典を再現することも学書にとって重要であるが、時代を反映し、そして自らの美意識を表現することこそが創作である。
 最後に、この佐賀県書道展の出品を予定している方には、改めて書の魅力を考え、そして自分の作品を創作していただきたい。筆の運びの遅速や余白などの空間構成を考えながら執筆すれば、その人に備わった個性や人格も表現される。また、展覧会で掲示された作品を前にして、美しい字形や筆の動き、それらが構築するバランスの魅力、どこに力点を置いたかなどの工夫、そして自ら表現する楽しみを知人に語る姿を想像しながら、筆を執っては如何だろう。審査会場で、皆さんの表現した美の世界を拝見するのを楽しみにしている。

審査委員長 島谷弘幸
(九州国立博物館長 本年度審査委員長)