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第32回佐賀県書道展に寄せて
この度は、梧竹・蒼海顕彰 第三十二回佐賀県書道展の審査をお手伝いする機会をいただき、誠に光栄に存じます。
佐賀の皆さんの書は以前にも拝見し漢字をはじめ、どの分野も高いレベルで見応えを感じたことを思い出します。
出品要項には前者とかな、調和体書、少字数書、墨象、篆刻、刻字と現代書の全分野を網羅し、また他県からの出品も可とするなど行き届いて大いに賛同いたします。
私は日頃、漢字大字書と調和体書を主とする者ですが、書の表現の根底にあるものは部門に関わらないと思っていまして、色々な作品を拝見できることにワクワクしております。
さて、作品の良否に白の美しさを言います。書は黒白の芸術ですから黒に対する白の働きは微妙ですが、清潔さや緊張感、余情を生み、ひいては生彩さえ感じさせます。生彩とは生き生きしている様で、書で最も大切なことです。線、字形、墨色、通貫性、構成等のさまざまが一つとなり生まれる書美、みなさん是非のびやかに筆を執り生彩ある作を発表してください。
梧竹・蒼海は共に威風堂々、革新の書で近代書道史に燦然たる足跡を残しました。以来百有余年、令和の佐賀の書はいかなる姿で私たちを魅了するのでしょう。皆さんの精魂のこもった一作一作とお会いする日を楽しみにしています。
審査委員長 永守蒼穹
(公益社団法人創玄書道会理事長、毎日書道会理事)
(公益社団法人創玄書道会理事長、毎日書道会理事)