佐賀県書道展

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苦しさ越え見える景色 第29回佐賀県書道展大賞受賞・森山映泉さん

2021年05月15日 11時00分
苦しさ越え見える景色 第29回佐賀県書道展大賞受賞・森山映泉さん
 一貫して「黒の美しさ」を追求してきた。書くスピードや墨の濃さ、線の太細などいくつもの要素が絡み合って生み出される黒と、背景の白を同時に意識することは「絵の世界に近いものがある」と語る。
小学1年から近所の書道教室で筆を握っている。高校卒業まで通った教室では、環境と気持ちを整えて真剣に書道に向き合う姿勢を学んだ。「佐賀北高や大東文化大学でも良い先生と出会った。それが今につながっている」と振り返る。
 同大学大学院を修了し、今は自分自身が教壇に立つ。「書道の奥深さや楽しさを教えるつもりで、『私はやっぱり書道が好きなんだ』と気付かされた」と話す。昨年まで3年間、鹿島高校で教えた。大賞は「生徒と一緒に取った賞」とかみしめる。
 4月から神埼高と三養基高で教えている。「手書きの文字は気持ちが伝わる」として「喜びや感謝を手書きで伝えられる人であってほしい」と力を込める。
仕事に慣れないうちは、作品を作り続けることに苦労もあった。それでも県書道展には欠かさず挑戦を続けてきた。「自分にしかないものを出すしかないのが芸術の苦しさだが、それを乗り越えれば新たな景色が見える。少し踏ん張ってみるのもいいかもよ、と生徒にも伝えたい」と笑顔を見せていた。

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