佐賀県書道展

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<有明抄>維新の書展

2018年06月10日 18時31分
佐賀の書道界は全国的にもレベルが高く、作風も幅広い。その礎を築いたのが幕末明治期の偉人たちである。佐賀市の県立美術館で開かれている特別展「さが幕末維新の書」を見ると、彼らの圧倒的な文字の力強さ、造形美を再認識させられる◆幕末明治期。藩主鍋島直正が儒者古賀穀堂(こくどう)の献策を用い、書道も含めた教育改革を弘道館で進めた。当時の2人の尽力によって佐賀の書が今に息づいていると佐賀城本丸歴史館の古川英文副館長は指摘する◆その流れの中で、「明治の三筆」中林梧竹や、蒼海こと副島種臣、唐津藩医の子で書家として多くの門人を育てた西川春洞(しゅんとう)ら、わが国の書道史上第一級の人々が生まれた。直正自身も、藩政改革を次々と実現した人物らしく、年齢を重ねるごとに変化に富んだ書を残している◆会場で最初に目に飛び込んでくるのが、その直正の「忠勤」。余技とは思えない堂々たる作風が印象的だ。また、直正に殉じた古川松根(まつね)の「辞世和歌二首」、手紙にさえ自ら筆を振るうことをしなかったという大隈重信の「七言絶句」も興味深い◆「これだけバリエーションに富む展覧会は他にない」と古川副館長。実業家の森永太一郎や陸軍大将宇都宮太郎の作品もあり、計44点が並ぶ。「県書道展」と同時開催で23日まで。佐賀が誇る書の世界を堪能してほしい。(丸)

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