2024年05月05日 22時20分
意地とプライドがぶつかり合った伝統の一戦。勝利への強い執念とプレーの質にこだわりを見せた早大に軍配が上がった。主将の佐藤健次は「本当にホームのような雰囲気で、プレーしていて楽しかった」と勝利をかみしめた。 「慌てなくていい」。前半10分に先制を許した直後、佐藤は仲間に声をかけた。冷静さを失えば一気に流れが傾いてもおかしくなかったが、頼れる主将のひとことで早大フィフティーンの心に火がついた。 「1対1にこだわることはできた」(佐藤)と、細かいパス回しでボールを運び、守りでも低く鋭いタックルで相手の突破を封じた。25点差をつけて大勝したが、試合終盤に押し込まれる場面もあり「最後に相手ペースになったことは課題」と反省も忘れなかった。 早大には日本一になった時に歌う「荒ぶる」という特別な歌がある。「ここに来て応援してくれた佐賀の人たちと国立(競技場)で『荒ぶる』を歌える瞬間まで頑張り抜きたい」と佐藤。この日、SAGAスタジアムで受けた大歓声の余韻に浸り、佐藤は「日本一になることが恩返し」と言い切った。(小部亮介)