2023年01月08日 08時30分
竹久夢二が挿絵や表紙を担当した雑誌「婦人グラフ」。洗練された洋装に身を包んだ夢二の女性画が、雑誌をよりモダンに引き立てた。発行期間は1924(大正13)年から、わずか4年間だったものの、時代を象徴する雑誌の一つだった。表紙や挿絵に彩色の木版画を貼り込む、手間のかかった仕様のため、高価で富裕層向けだった。 ちょうど、女性たちが和服から洋服へと移行していく時代。夢二は、海外のファッション雑誌で流行をつかみ、一足早くそのスタイルを発信した。夢二は和装の女性像にも、そのエッセンスを盛り込み、日本髪に結われた頭に大きなリボンを合わせるといった具合だった。 特別展会場には、婦人グラフに掲載された夢二のインタビュー記事も展示している。夢二は、自らの美人画に影響を与えた3人の女性のうちの1人、お葉と所帯を持ちながら、別の女性とも交際した。お葉とは破局し、交際していた女性も去ってしまう。インタビューは、想定外にさみしくなった新居での写真とともに。(福本真理) ▼新春特別展「竹久夢二展」は2月12日まで、佐賀市の県立美術館で。開場時間は午前9時半~午後6時(最終入場は午後5時半まで)。休館日は1月10、16、23、30、2月6日。 観覧料は一般1000円、中高生500円。小学生以下無料。佐賀新聞プランニング、電話0952(28)2151。